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2020年3月27日 (金)

物語の力

Dsc_1959-2

図書館から手当たり次第という感じで借りてきた本の中に、「レモンの図書館」というイギリスの物語があった。

ヤングアダルト向けの小説。

大人向けでもない子供向けでもない物語。

 

母を亡くした本が好きな少女が主人公。

父と二人暮らしだけれど、その父は、妻を亡くした悲しみを受け止めきれず、<心を強くすること>で自分も娘も立ち直れると信じ込もうとして、いつの間にか通常ではない状態へとなっていく。

 

その父を支える少女が、たくましくて繊細で、泣けてくる。

一人でも大丈夫と自分に言い聞かせていた少女が、転校してきた、やはり本好きな少女とその家族との交流で、だんだん、心がほどけていく。【ものがたり】の魅力が、大きな軸になっている。

 

大人の面倒を見なければならなくなった子供が、日本にもたくさんいると聞く。聞くけれど、目の当たりにすることがないので実感はない。

 

子どもも大人も、心という不可思議なものを抱えて、助けたり助けられたり。

 

少女が、強い心で耐えて、耐えきれずに壊れそうになって、人の温かさと人を思う気持ちで立ち直り、ふたたび心が広がっていく描写が、とてもいい。

 

お涙頂戴ではない、等身大の成長物語。

 

 

 

図書館閉鎖がなければ、もしかすると出会えなかった本かもしれない。

 

<物語>との出会い、運命論者ではないけれど、やっぱり信じたくなる。

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